適応症

2012.02.09更新

 鍼灸院に来院される患者さんの中で、耳鳴りを主訴として来院される方は少ないのですが、健康チェック表をつけて頂くと、多くの方が耳鳴りを感じておられることがわかります。

 鍼治療の効果に関しては、とにかく鳴り初めからの期間が重要である印象があります。

 耳鳴りの種類や、患者さんの疲れ・ストレスの状況などによって変化すると思いますが、とにかく鳴り始めてすぐでしたら、かなりの確率で止まると思います。

 何年も鳴り続けている方でも、軽くなったり、止まることもありますが、どうしても確率が下がる傾向にあると思います。どんな疾患でもそうですが、なるべく早期の受診をお勧め致します。

 耳鳴りとは外界から音が耳に入っていないのに、音を感じることをいいます。

 多くは耳の病気と一緒におこりますが、このほか全身的な病気が原因など、心理的な要因が耳鳴りに影響していることもあります。

 分類としては3つに分けられます。
生理的(無響室性)耳鳴りです。健康な方にも感じるものです。例えば、防音室や無音室などに入った時や夜に周囲が静かな時などに「シーン」となることで、聴覚の異常ではありません。

自覚的耳鳴りです。鼓膜などの中耳に異常がないにもかかわらず、特定の音色の音がうるさく片側の耳か両耳で時々、または続けて鳴ります。耳鳴りを訴える人のほとんどがこのタイプです。

他覚的耳鳴りです。まれに口のまわりの筋肉や耳の中の骨、筋の収縮音、中耳の貯留液の動く音、血管の雑音などを耳鳴りとして感じることです。

 最も多く見られる自覚的耳鳴りの場合、どのような理由で耳鳴りが起こるかその仕組みについてはまだよくわかっていません。

自覚的耳鳴りの原因としては、全身的な疾患や薬の副作用、ストレスや疲労でおこることもあり分類としては、3つに分けられます。

感音声耳鳴りです。内耳、聴神経、聴覚中枢(脳幹、大脳皮質)に障害があるものをいいます。例えば、内耳炎、メニエール病、老人性難聴、突発性難聴、騒音性難聴、聴神経腫瘍などです。また、ストレスプトマイシン、シンプラチンなどの抗がん剤などの薬物は、内耳を犯し耳鳴りをおこします。

全身的疾患です。低血圧や高血圧など循環器系の病気や血液、リンパ系動脈硬化や糖尿病さらに脳神経系の疾患に伴って耳鳴りがあらわれることがあります。

ストレスです。心身のストレスによって耳鳴りがおきたり、増殖して感じられることがあります。生理的耳鳴りの原因は無音状態により鼓膜が緊張しておこることです。他覚的耳鳴りの原因は耳の周囲の不調(顎関節症や顎の筋肉の腫れなど)によるものです。

 耳鳴りの大きさや高低の現れかたや持続の程度など、人によってさまざまです。

 持続的に聞こえる人もいれば、静かな場所や就寝時のみ聞こえる人もいます。低音の耳鳴りは外耳や中耳に原因があり、高音の耳鳴りは内耳や聴神経の障害に原因があるとされています。

 しかし、必ずしもそうとはいえません。生活のアドバイスとして、耳鳴りに心理的な要因が関係している場合は心身のリラックスが軽減に役立ちます。

 副作用のない鍼治療を、なるべく早い時期に受けられることをお勧め致します。
 

投稿者: 井島鍼灸院

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